ユニゾン

誰かと声を合わせ、歌う。
それはとても難しいことだ。

例えそれが信頼している友であったとしても、
完璧に相手を把握しているわけではないし、
まして普段から、理論よりも感情で生きている一十木や
感性が違いすぎて、何を考えているのかまったく読めない四ノ宮と
心をひとつにし、声を合わせなければならないのだ。

おそらく並大抵のことではあるまい。

にも関わらず、
あのふたりは、まったくもってその大変さを理解していない。

むしろ状況を楽しんでいるというか、
単純に歌うのが楽しくて仕方がないといった感じだ。

これは、俺がなんとかするしかあるまい。
そう気負っていたのだが……。

四ノ宮は天性のセンスのよさで、ここぞというポイントをおさえてくるし、
一十木は一十木で、生まれ持った勘の良さから
上手く四ノ宮に合わせてくる。

これなら、俺がふたりに合わせさえすれば、何も言わずとも
まとまりのある歌になるだろう。

わかっているようで
本当にあのふたりを理解していなかったのは
俺の方かもしれないな。

歌を通して友の新たな面をみることができるとは……。
どうやら今回の課題は俺にとって得る物が多そうだ。

コメント

  1. 一十木音也 Says:

    なんか難しい顔で黙ってるなぁって思ったら
    そんなこと考えてたんだ!
    マサらしいや!

    確かにちゃんと合わせようって思ったら大変かもね。
    歌ってる時は何にも考えてなかったよ。

    マサの声はすごく優しくてキレイだったし、
    那月の歌い方がめちゃくちゃかっこよかったから、
    もうテンション上がりまくりでさっ。
    一緒に歌っててすげーわくわくしたんだ。

  2. 四ノ宮那月 Says:

    僕もふたりと歌えて楽しかったですよ~。

  3. 聖川真斗 Says:

    確かに、楽しかったな。
    感性や感覚で生きている者に、もっと考えろと言っても
    かえって混乱させるだけかもしれないな。

    それに……。
    俺もまた、あれこれ考えず純粋に歌を楽しんだ方が
    いい歌になるかもしれない。

    そのことをふたりに教えられたな。